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2005/01/28

『妻に捧げた1778話』

著:眉村卓
新潮新書

入院中の暇つぶしに買った一冊。
眉村卓といえば、俺が中学~高校生の頃はむさぼるように読んだ記憶がありますね。
「狙われた学園」「なぞの転校生」などなど。
SFテイストジュブナイルでしたので、当時はど真ん中でした。

末期がんの奥さんのために毎日一話、400字詰め原稿用紙3枚以上の作品を書き、
奥さんに読ませ続けた。
その間5年間、1,778話……

全体通してさほど悲壮感はありません。
長く一緒に暮らした妻のために、淡々と「作家である自分」に出来る事をする。
その過程とその時々の心情を綴った本です。
(作品群は少し収録されているだけです)
それだけの話です。
が、しかし。
それ故に静かで深い深い愛情を感じます。

先に逝く相手を見つめて、淡々と日常を送る。
彼としては書かなくては辛かったのかもしれませんね。
居るのが当たり前の人が居なくなる喪失感はまだ想像がつきませんが、
こうは出来ないでしょうね。
彼の作品同様、今風の感嘆詞の多い文章ではありません。
悪く言えば「抑揚が無い」とも言えるかも。
でも、それが却って奥さんへの愛情を感じさせるものになっています。
奥さんは幸せだったのではないかと思いますね。

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