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2006/02/20

第392話:『ボクは武士道フリークや!』

samurai
アレック・ベネット 著
小学館







順番からいえば「国家の品格」の後に書評書くべきなのかな?
「国家の品格」が


『武士道』



を前面に押し出してましたからねぇ。





一応武道に首突っ込んで、
しかも抜けられなくて四苦八苦している人間としてはw
「武士道」というキーワードはある種



『呪縛』



みたいなものでして、なかなか難しいんですよ。
有難いんだかそうじゃないんだかって感じ。





れんは実際のトコ、武道やっている身でありながら
「ビバ大和魂!」」
「日本人には武士道精神があるからスゴイんだ!」
てなマスコミ的煽りには、
「…ふ~ん」と冷めて見てしまう人なのです。
だってどこの国にも「○○魂」はあるでしょうしねw





都合の良い時にだけ「武士道」を持ち出して
逆に失敗した時には「島国根性」とかいうのはどうかと。
だって、島国で鎖国してたから
「武士道」は成立したとも言えるのでは?
日清戦争まで日本はほとんど本格的な
「異民族間戦争」や「侵略戦争」には巻き込まれてない訳で。
(二度の元寇以外はなかろ?)





基本的にはそれまで日本は同一種族間の権力争い、
ぶっちゃけ「内戦」しかしていないのです。
言語も風習も同じ連中同士で戦さしてた訳で、
これが「民族殲滅戦」や「国家存亡の戦争」となると
武士道精神を維持できたかは疑問ですな。
(見栄えはともかく、勝たな生き残れん)
それでも戦国時代と、その後に続く徳川幕府300年の
「ミラクルピース」が独特の日本文化を醸成したのは
間違いないでしょうが。





一応「葉隠」も「五輪書」も読んだんですが…
え~、れん的には面白くなかったですw
「五輪書」なんか、内容的には





身もふたも無ェ





って印象なんですがwww
そういや新渡戸稲造の「武士道」は読んでないなぁ…









さて、本論。
著者のアレック・ベネット氏。
肩書きは…



「剣道六段、居合道五段、なぎなた四段。
 国際日本文化研究センター助手。
 武道学者」



( ゚д゚)ポカーン



…一応剣道の経験も少しだけあるんですが
六段って…ネ申ですよね。



まぁ物事の分析はなまじ「内」にいるより
「外」の方の視線が正確なものですが
(「傍目八目」とはよく言ったもの)
以下プロローグより抜粋させていただきました。





「でも、ちょっと待ってほしいねん。
 ブームにケチつけるわけやないけれども、
 『日本人=武士の末裔』とか、
 『日本人には武士の血が流れている』
 と思い込むのはおかしいのやないやろか。
 明治維新より前、武士は日本の人口のたかだか5%
 ないし7%しかおらへんかったんやで。
 今の日本人の大部分は農民か町人の子孫やのに、
 『日本人やったら
  誰でも武士のDNAを受け継いでいるのやから
  少し本を読んだりすれば武士道を理解できる』
 というような考え方は変やと思う。
 ”武士の子孫ではない”という点では
 おおかたの日本人も、
 僕ら外国人もいっしょなんや!」





…お見事っ!
一刀両断っ!





まさしくその通りだと思います。
日本人なら誰でも「サムライスピリッツ」持ってるわきゃねー





でも、ベネット氏は日本武道に、
武士道にどっぷりはまってくれました。
…ある意味嬉しいですよねー





文中「残心」についての記述がありましたが
いやもう見事の一言。
今日び、「残心」と言ってきちんと説明できる人が
ウチの関係者でもどれだけ居るものか…・゚・(つД`)・゚・





ここで一応「残心」について説明しますと、
技が決まって勝敗が決しても
気を抜かず、相手の反撃に備え、かつ相手に礼を尽くす心構え…
とれんは解釈しております。
口語体で説明しますと…(ヲイ)





「勝負は決まった。
 本当ならここでアンタは死んだんだ。
 もちろん、『今はまだ』生きてるからな。
 今この時もこっちに隙があるんならかかってきていいぜ?
 もっとも、その時にはもっとひどい目に遭わせるがOK?




 俺に隙は無いぜぇ?




 アンタも一流の使い手なら、
 自分が『本来は死んでる』事は分かるよな?
 ならお互い見苦しくなく勝敗を受け入れないか。
 なぁに、勝敗は時の運さ。
 次やったらこっちが負けるかもしれない。
 だからアンタをこれ以上辱める気は無いよ。
 さ、礼をして終えようぜ」





とゆー風に解釈しております(…ひでぇな)。





なお「残心」という表記と
「残身」という表記とあるようですが
どちらも正解と思います。
というか「残心」が「残身」として顕れなければ意味無いと…
れんも口うるさく「残心」を言いますが
なかなか現代っ子には理解がねぇ…





これなくして武道の清廉さ、美しさは無いと思っております。





実に見事な日本語。
(つかこの方、古文書読みこなしてますからねぇ)
肩の張らない内容。
考えさせられる思想の深さ。
読んで損なし。
さ、また若手に読ますどw

 

 



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